ウインドウズとIEを抱きあわせていると云われて,どっちを取るかと迫られたら,そりゃ考えるまでもなくIEなのだ。バグの本家本元,人間には収拾がつかないまでに膨れ上がったウインドウズを抱えていることが,この企業をいかに痩せ衰えさせているか。
マイクロソフト社の反トラスト法違反の事実認定で,このままいけば,MSは最低でも3社に分割されることになる。だが,判決より前にMSが,OS事業から撤退するのではないかという噂もある。これは,MSの社内文書でも検討されているオプションであることは確認されている。MSは,OSよりもインターネットにおけるサービス提供に事業の中心をシフトし,ウインドウズをフリーウェア(オープンソース化だろう)とすることも、その過程で考えているという。これにより無闇な会社の分割は避けたいというわけだ。
先週金曜日の事実認定(過去記事)は,MSを100%,断罪するものであり,完膚無きまでにその罪を問うた(ZDNet Newsの特集)。あれを読むかぎりは実際の裁判では,相当厳しい制裁処置が下されることが予想される。MSの打つ手は,法廷闘争か,それとも司法省との和解か。どちらにしても煮え湯を呑まされることは間違いない。ならば,いっそのこと…。
時は大きく動いている。OSというものの位置も変化している(過去記事)。ここまで大きく拡大したネットワークをさらに便利にするには,すべての作業を,ネットワーク上のOSを利用し,ネットワーク上のアプリケーションで行うカタチにすることも予測されている。ネットワークコンピュータは影が薄くなったが,アプリケーション・サービス・プロバイダの繁栄はその礎かもしれない。ウインドウズを手放せるならば,MSは今以上に大きな力を得られるかもしれない。もちろん,自らのいちばん大事なものを殴り捨てて,大海原に飛び込む,勇気,があればの話だが…。
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